客観的な状況に重大な変化が生じた規定は労働組合長に適用できるか。
事例の説明
ある企業は経営発展のために一部の部門と雇用を廃止することを決定する必要があり、その企業の非常勤労働組合主席である王氏の所属部門も撤退している。同企業は王氏と職場変更と仕事内容について協議したが合意に至らず、「労働契約法」第40条第(3)項の規定に基づいて王氏との労働契約を解除しようとした。しかし、王氏は企業に対して、労働組合主席として、「労働組合法」などの法律、法規及び関連規範性文書の特別保護を受けており、客観的な状況に重大な変化が生じた場合でも、企業は「労働契約法」第40条第(3)項の規定に基づいて労働契約を解除してはならないと異議を申し立てた。
弁護士の分析
労働契約法第40条第(3)項に規定された客観的状況に重大な変化が生じた規定が企業非常勤労働組合主席に適用できるかどうかについては、現在明確に規定されていない。『中華人民共和国労働契約法(2012改正)』第2条は、「中華人民共和国境内の企業、個人経済組織、民営非企業単位などの組織(以下、使用者という)は労働者と労働関係を構築し、労働契約を締結、履行、変更、解除または終了し、本法を適用する」と規定している。これにより、企業の非常勤労働組合主席は労働者として企業と労働契約を締結し、原則として、「労働契約法」第40条第(3)項の規定は、企業との間の労働契約の変更、解除に適用することができる。
しかし同時に、「労働組合法」などの法律、法規及び関連規範性文書は労働組合長の労働契約履行に対して特別保護を規定しているため、企業と労働組合長の間の労働契約の変更、解除はまた同時にこのような特別保護の規定を遵守しなければならない。このような規定は、労働組合長の任期が満了していない場合にその仕事を勝手に動かすことを禁止し、仕事のために労働組合長の仕事を動かす必要があることを明確に要求する場合、本級労働組合委員会と上級労働組合の同意を得なければならず、かつ労働組合長の労働契約の変更、解除または終了前に上級労働組合に報告し、記録しなければならない。
したがって、本件において、ある企業は一般従業員と同じように直接労働契約法第40条第(3)項の規定に基づいて王氏と労働契約の変更または解除について協議することはできず、事前に当社労働組合委員会と上級労働組合に報告し、本級労働組合委員会と上級労働組合の同意を得てから実施しなければならない。